■白内障Q&A

白内障に関する疑問にお答えします。


【質問】どんな人が白内障になりやすいの?

【答】

白内障は、目の中の水晶体が白く濁る病気です。こうした濁りを引き起こす最大の原因は、 活性酸素にあると言われています。 目に有毒な紫外線を水晶体が大量に吸収すると、大量の活性酸素が発生します。 これをビタミンCが消去しきれないと、水晶体に濁りが生じるのです。 ですから、なりやすいのは、紫外線を多く浴びる人。また、タバコやお酒をたくさんたしなむ人もビタミンC不足になりがちです。


【質問】白内障と診断されて何もしないとどうなる?

【答】

進行していくでしょう。白内障と診断されても、どういうタイプがあるのか教えてもらっていない人がほとんど。 原因がわからないから、治そうとしないのです。一番多いのは、「皮質白内障」。 老人性白内障になった人の多くに見られるもので、水晶体の周りから濁ってくるタイプです。 透明な部分と濁った部分が混在しています。 リコピン を摂取すると予防効果があります。
「核白内障」は老眼が治ったと勘違いしやすいタイプ。真ん中から濁り始めて水晶体が厚くなり、近視の状態になります。 そのため、遠くが見えにくくなったり、逆に近くのものが見えやすくなったりするのです。 進行すると、視野がかすむようになります。カロテンに予防効果があります。 いずれも紫外線を避けるべきです。
水晶体を包んでいるカプセルのうち、後ろ面にあるものを後嚢といいます。 この後嚢に接して水晶体に濁りが生じるタイプを「後嚢下白内障」と呼びます。 後嚢下白内障は、進行が速いので要注意です。ほとんど濁っていないのに見えません。 瞼裂斑(紫外線が原因で起こる目の中の炎症)や糖尿病、ステロイドの副作用が原因となります。 ルテイン が効きます。見づらくなったら手術をしましょう。


【質問】白内障は年配者に多いのですか?

【答】

白内障の大半を占める老人性白内障は、40代後半から始まると言われています。 発症率を見ると、55歳で約15%、65歳で約30%、85歳で約90%、90歳でほぼ100%と、年を取るにしたがって増えていきます。 とはいえ、30代で発症する人もいます。その原因は、アトピー性皮膚炎患者の増加、光刺激の強い生活、食生活の乱れ、 運動不足、ストレスの増加、薬剤の副作用などが考えられます。


【質問】白内障の手術は痛くないですか?

【答】

今は、点眼麻酔なので痛くはありません。ただ、手術をするのは、生活に不便を感じている人が多いようです。 絵描きや運転手など、見えないで困っていれば、視力1.0でも手術をする場合があります。 ほとんどテレビしか見ないような人は、たとえ視力が0.1でもしない人がいます。 日常生活に困らない人は、手術しなくてもかまいません。0.7ぐらいで手術すると、逆に視力が落ちる可能性がありますし、 なかには、全く見えなくなる人もいます。 手術する前には、レントゲンや採血などの検査が必要です。その際、心臓病などに使われる血栓凝固作用のワーファリンを 飲んでいると、手術は行いません。薬をやめてしばらく間を置いてから手術することになります。 糖尿病の場合も、糖尿病をよくしてからでないと手術はできません。状態が悪いと手術しない医師もいます。 手術時間は平均20分くらいです。5分ぐらいで終わらせる早い医師もいます。 場合によっては逆に40分くらいかかることもあります。 手術後には甘いものを食べないよう注意してください。医師の腕だけではなく、患者さんの体調も目に大きく影響します。


【質問】両眼同時に白内障の手術はできる?

【答】

手術はできますが、お勧めはできません。同時にはしないのが普通です。 ところが、最近は同時手術をする医師が多くなっています。 同時手術は危険性が高いので、片目をやってもしも失敗したらと考えて、もう片方は慎重にすべきです。 ふつうは様子を見るために、片目の手術をしてから最低1週間は空けます。 できれば3ヶ月くらい開けたほうが安全です。手術は1回しかできませんから。


【質問】手術して入院する必要はある?

【答】

入院の必要はありませんが、3日程度は入院した方が楽だと思います。 手術自体は20分程度で終わりますが、手術後30~45分は絶対安静です。 その後は歩くこともできますし、普通の食事をとることもできます。 体力に自信があり、他に病気がない人であれば、入院せずに日帰り手術を受けることも十分可能です。 ただし、手術後1週間は入浴できないので、汗をかきやすい夏場の日帰り手術は、あまりお勧めできません。 また、日帰り手術後1週間は、翌日を含めて3回ほど消毒と検査のために眼科に通う必要があります。 通院にはかなり負担がかかるので大変です。

手術後、すぐに見えるようにはなりますが、入院しなかった場合でも、3日ぐらいは仕事を休んだ方がいいでしょう。 普通の生活は送れますし、体の負担があまりない職場だったら割合早い時期に仕事に復帰できますが、 パソコンなどは目によくないので、休養だと思って休んだ方がいいと思います。 激しい運動もしばらくは控えるべきでしょう。

眼内レンズは1週間くらいでくっつきますが、レンズが安定するのに最低でも3ヵ月はかかるので、 その間は新しい眼鏡は作れません。


【質問】白内障手術に年齢制限はありますか?

【答】

特にありません。ただ、年齢が上がると、体の隅々に問題を抱えていることが多くなります。 年配の人が入院すると、認知症になりやすいということもあります。 そもそも、家族が手術に反対するケースもよくあります。ただし、本人が希望すれば関係ありません。 90歳を過ぎても体がしっかりしていれば、手術は受けられます。 とはいえ、手術を受けるのは、体力のあるうちがいいと思います。


【質問】白内障手術に健康保険は使えますか?

【答】

健康保険は使えます。ただし、保険適用内手術と保険適用外手術があるので、手術の際には注意が必要です。 健康保険が使えないのは遠近両用の多焦点眼内レンズの手術です。費用は片目で40万円前後ですから、 両目で80万円ほどかかります。レンズ代だけだとそれほど高くありませんが、日本の制度では診察・投薬・手術費用・ レンズ代金まですべて自費になってしまいます。両目で80万円だと、なかなか払えるものではありません。 保険が利くのは遠視か近視かどちらかを選ぶ短焦点眼内レンズの手術です。 こちらは手術後も近視用、または老眼用のメガネが必要になります。 手術費用は検診、目薬代などを含めて20万円前後ですが、保険が利くと3割自己負担で1万5000円~2万円程度になります。 地域によっては補助金が出るケースもあるので、確認しておきましょう。 民間の保険に入っている場合は、自己負担なしで手術できることもあります。 ただし、入院などするときは、入院諸経費が加算されるので注意してください。 保険が利かない場合でも、高額医療費に該当すれば戻ってくることがあります。


【質問】手術すると、視力はどのくらいまで回復する?

【答】

眼内レンズを入れると、見える人は翌日から視力が1.5になったりします。白内障になる前の視力には戻ります。 ただし、視力低下の原因がほかにもある場合には、それほど視力は回復しません。 白内障になりやすい人は、紫外線もたくさん浴びているケースが多いので、黄斑変性にもなりやすいのです。 現在では、眼底レンズに紫外線防止が施され黄斑変性になる確率は減っています。


【質問】眼内レンズは定期的に交換することはあるの?

【答】

ふつうは半永久なので、ピントが違うところにある場合など以外は、基本的に交換しません。 もちろん正確ではありませんから、合わない場合もあります。 水晶体の中ですから、違和感を感じることはないと思います。あるとすれば、手術のときにうまくいっていなくて、 ズレてしまっている場合ぐらいです。手術後10年、20年経っても、トラブルがない限り、眼内レンズの状態は変わりません。 それでも合わないからと希望する場合は、眼内レンズの入れ替えをしてくれる医療機関もあります。 水晶体を取り出して眼内レンズを入れる手術の際には、角膜を数mm切開し、そこから水晶体を取り出したり、 眼内レンズを入れたりすることになります。わずか数mmとはいえ、何度も角膜に傷をつけることはあまり好ましいことではありませんし、 場合によっては合併症を招いてしまうリスクもあるので、注意が必要です。 手術に失敗すると、眼内レンズが落ちたりすることがあります。あまりそういうことはありませんが、 この場合はとらないといけません。


【質問】白内障の濁りは治療で消えますか?

【答】

水晶体は本来、弾力性に富んで軟らかく、透明です。しかし、水晶体に含まれるタンパク質が酸化して変性することで、 透明の水晶体に濁りが生じてきます。その最大の原因は、活性酸素にあります。 水晶体の中のビタミンCが大量の活性酸素を消去しきれなくなると、濁りが生じるのです。 生じた濁りは治療でもなかなか取れませんが、生活習慣の改善によって、ほとんどの場合、視力を上げることはできます。


【質問】普段の生活で注意することは?

【答】

生活習慣を改めれば、ほとんどの人は脳の働きがよくなって視力はアップします。 濁り自体は変わらなくても、視神経の働きがよくなって見えるようになるのです。 視覚はそもそも脳で見ているので、体の調子によって見えるものが変わります。 実は鼻も見えていますが、脳が消しているのです。実際、片目をつむって鼻を見ると見えてきます。 それを自覚できないようにしているのです。体調がよくなるとほとんどの人は視力が上ってきます。 普段の生活でまず気を付けなくてはいけないのが紫外線です。 手術すると、紫外線が余計に入りやすくなるので、強い光を浴びないようにしてください。

白内障があったから、紫外線が入りにくくなっていましたが、手術後は20代の頃のように目が若返って紫外線が入ってくるのです。 そのためにダメージを受けやすくなります。 眼内レンズはUVカットにはなっていますが、紫外線はどんどん入ります。 それで黄斑変性になる人も結構多いようです。これを防ぐには、野菜をいっぱい食べたり、 青汁を飲んだりして、 抗酸化能力を上げないといけません。網膜を若返らせることが大事なのです。


【質問】「ぶどう膜炎」があっても「白内障」の手術は受けられますか?

3年前に、物が見えにくくなり、両目に違和感を感じて眼科を受診しました。「ぶどう膜炎」と「緑内障」とのことで、 「白内障」も少しあると言われました。目薬(炎症を抑える目薬と眼圧を下げる目薬)で治療を続けていますが、 3ヶ月くらい前から急に視力が低下して、日常生活に支障が生じて困っています。 白内障が進行したようです。ぶどう膜炎と緑内障があっても、白内障の手術を受けることができるでしょうか? (62歳・女性)

【答】

現在、「ぶどう膜炎」と「緑内障」と診断され、また「白内障」もあるとのことです。 ぶどう膜炎(虹彩・毛様体・脈絡膜の総称)に炎症が起こる病気で、進行すると緑内障を引き起こします。 緑内障は、眼圧が上がることなどによって視神経が障害され、視野が欠けたり、視力が低下する病気です。 緑内障の原因が、ぶどう膜炎のために二次的に起こったものであるのか、または元来緑内障があったものであるのかで 治療方針が異なります。もし、緑内障がぶどう膜炎によるものでしたら、ぶどう膜炎の治療が優先されます。 治療によってぶどう膜炎の炎症が治まれば、緑内障も改善すると考えられます。

現在お困りの視力低下ですが、これも白内障が原因なのか、ぶどう膜炎による炎症が原因なのかによって治療が異なります。 もし、ぶどう膜炎の炎症が視力低下の原因であれば、ぶどう膜炎の治療によって視力の改善も期待されます。 また、ぶどう膜炎も落ち着いており、白内障が視力低下の主原因でしたら、眼内レンズ移植を含めた白内障手術を考慮します。 以前は、ぶどう膜炎のある目の白内障手術は、ぶどう膜炎の再発や増悪が危惧されるので禁忌と考えられていましたが、 現在では、炎症が治まっている時期であれば、あらかじめ炎症を抑える薬を投与して手術を行います。 ぶどう膜炎がない場合の白内障手術に比べ、術後の炎症が強いなどのリスクはありますが、 現在の白内障手術は目に対する負担も少なく、術後の炎症もそれほど強くはありません。 視力低下が著しく、生活に不自由を感じているのであれば、ぶどう膜炎が沈静化している時期に手術されることをお勧めします。

また、術後診察での緑内障に対する眼圧測定などによる眼内レンズへの影響は全くありませんので、心配はいりません。 ただ、ご質問の内容だけでは、ぶどう膜炎・緑内障・白内障の関係が判断しかねます。 明確な診断・治療のためには診察を行い、これらぶどう膜炎・緑内障・白内障の3つの関係を調べる必要があります。 現在受診されている医師とよく相談されることをお勧めします。


【質問】

3年前から右目に「白内障」があります。現在の視力は0.5です。オフロキシンとピレノシキンTを点眼しています。 私は手術を希望していますが、医師は”まだ早い”と取り合ってくれません。 左目の視力は1.0あります。来年は自動車免許の更新(二種免許、視力0.8以上)があり、心配です。(74歳・男性)

【答】

他に病気がなくて、視力が0.5まで低下しているのであれば、一般的には手術の適応になります。 二種免許の更新を考えているのであればなおさらです。眼科で、他に何か異常がないか、視力回復の障害になるような病気がないか、 質問してみてください。また、最近は、他の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」が広く行われるようになっていますので、 別の医療機関を受診して、相談してみるのもよいと思います。


【質問】

「白内障」で、最近右目がめっきり霞んで困っています。カタリン、ヒアレイン0.1を点眼しています。 左目は「眼底出血」でレーザー治療を受けたものの、視力は回復しませんでした。 右目の手術を勧められていますが、左目が見えないため、心配で手術に踏み切れずに困っています。 また、年齢的には問題はないのでしょうか。(80歳代・女性)

【答】

反対側の目がよく見えないということで、白内障の手術を心配に思われるお気持ちはよくわかります。 確かに手術ですので、100%安全で、合併症が起こらないと保証することはできません。 しかし、今の白内障手術はとても安全になってきています。ほとんどの方は手術によって、はっきりとした視界を取り戻していますので、 担当医とよく相談してみてください。なお、お身体が元気であれば、年齢が問題になることはありません。


【質問】

左目の「白内障」の手術を勧められました。現在、小さな「脳動脈瘤」と「頸動脈狭窄症」があり、 脳神経外科に通院しています。手術を受けるのは少し心配ですが、問題ないでしょうか。(60歳代・女性)

【答】

まず、脳神経外科の病気が目に影響していないかどうか、脳神経外科と眼科、両科の医師に尋ねてください。 脳神経外科の病気の影響ではなく、白内障によって視力が低下しているのであれば、手術を受けたほうが良いと思います。 その際、脳神経外科で、血液を固まりにくくする薬の処方を受けていると、目の手術に差し支えることがあります。 手術の前に、両科の医師に相談してみてください。