メニエール病の治療

基本は生活習慣の改善と症状改善のための薬物療法

メニエール病は慢性の病気です。完治させることは困難ですが、高血圧や糖尿病などと同じように、きちんとコントロールすることにより、 めまいやめまいに伴う不快な症状を抑えて、日常生活に支障を来さないようにすることはできます。 そのために次のような治療が行われます。


●生活習慣の改善

メニエール病の発症にはストレス疲労が深く関係しているので、生活習慣を改善することが大切です。 十分な睡眠をとって疲れを溜めないようにします。 軽い運動で気分転換や ストレス解消を図ることも大切です。 食事では塩分の摂りすぎに注意します。塩分の摂取量が多いと、体内の塩分濃度を調節するために体内に水分が溜まりやすくなるからです。 また、適度な水分補給を心がけます。水分を控えると、かえって水分が排出されにくくなるため、塩分を含まない水や麦茶などが勧められます。 カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは控えた方がよいでしょう。


●薬物療法

症状を改善するため、次のような薬が使われます。

▼利尿薬
尿の量を増やして水分の排泄を促し、内耳の”水膨れ”を改善します。

▼循環改善薬
血液循環をよくする薬です。内耳の血流を改善することで症状を和らげます。

▼ステロイド薬
免疫の働きに作用したり、炎症を抑えたりします。めまい発作が激しいときや、聴力が急激に低下したときなどに使用します。

▼漢方薬
五苓散、苓桂朮甘湯、柴苓湯などが処方されます。メニエール病への効果が科学的に証明されています。

●中耳加圧療法

生活習慣の改善や薬物療法で症状が改善されない、治りにくいメニエール病に対して行われる治療です。 1回の治療は3分間ほどで、患者さんが自分で行います。 治りにくいメニエール病が対象ですが、60〜70%の人に効果があることがわかっています。


中耳加圧療法


●手術

中耳加圧療法を行っても発作を繰り返す場合や、聴力が急激に低下している場合には、手術が検討されます 主に行われるのは、鼓室内薬物注入術内リンパ嚢開放術です。 鼓室内薬物注入術では、鼓膜に孔を開け、ゲンタマイシンという抗菌薬を内耳に注入します。 薬で内耳の働きを抑え、めまいが起こらないようにします。手術後に聴力が低下することがあるため、 メニエール病が両耳に起こっている場合は、通常は行われません。 内リンパ嚢開放術は、内リンパを吸収する働きを持つ内リンパ嚢を切開し、溜まった内リンパを排出させて症状を軽くする方法です。 内耳の機能が保たれ、難聴が起こるリスクが低い手術ですが、切開した部分が塞がって再発し、再び手術が必要になることがあります。